【雑記】KADODEを観ました。

  冒頭から拙ツイートで初めて申し訳ない。 

 

 参加して後悔するのと、参加せずに後悔する、の2択ならば参加して後悔する方が良い、とはよく耳にする話だが、私はそうは思っていなかった。無論、後に参加しなかったがためにその催し物の感想等を見て行きたかったと思うことはある。しかし参加していない以上、その楽しさを知らない、未知数なのだから後悔のしようがないと考えていたわけである。そんな感じで今までやってきた。未知数のものを悔やむのはおかしな話と。だから見られなかったことに対してそこまで悔やむことはなかった。

 しかし「KADODE」は違った。明確にあの場に存在していたいと思えた。7人の迫力、距離感、そして何よりも会場の一体感。あれを越えるものはそうそうはないはずだ。そこがWUGの魅力である。観客席とステージ、本来見えない壁で隔てられいるはずのそのステージからメンバーが降りてきて目の前にやってくる。ここは地下ではない。

 言葉を選ぶべきだが、その魅力はファンでなければ味わうことは難しいだろう。以前、読んだブログに「異常さ」について言及されていた。全くその通りだと思うのでここでは詳細な記述は避けようと思う。突然だが、私は円盤を買い、関連するブログも数本書くほどにはWUGが好きだが、自らを「ワグナー」と称することに躊躇いがある。知っていたにも関わらず活動中の彼女らを応援することができなかったことへの後ろめたさからか。様々な理由があるがその一つとして、同じ空間を共有した者こそが「ワグナー」であると感じていることが挙げられる。即ち、前述の通り、7人とファンの関係が濃密過ぎて入り込む余地がないような気がするだ。ワグナーへの熱い思いが語られているMCからも、いかにこの関係が特別なものであるかを窺うことが出来る。WUGを知らない人は双方向の熱意に驚愕するに違いない。ではここで、排他的かと問われればそれは違うと言わざるを得ない。パフォーマンスは圧倒的で一度見たら忘れることのできぬ力があり、実際、ワグナーは温かいと思う。(一番の理由は自身を何か特定のコミュニティの存在として自称することがあまり好きでないからなんですが、こうして関連のブログ等を書く時点でこの行動に意味はないですね。) 

   

 こんなことばかり書いていても仕方がないのでライトな感想を綴ります。以下、酷い文章です。

 開幕。『少女交響曲』で魅せられた。歌い終わり、俯いたまま始まった『素顔でKISS ME』に圧倒された。一人、画面の前で盛り上がる方が難しいというのもあるが、画面の中で歌い踊る彼女たちに対峙した私はその世界に囚われて沈黙していた。ファンを盛り上げるだけではなく、魅了し、黙らせるパフォーマンスというのはなかなか出会うことができないはずだ。

 率直に申し上げて7 Senses』は好みではなかった。理由は後述したい。しかし、KADODEでこの曲を聴いて「新章最終回をこの曲で終わらせるルートも見てみたい…」と少しおセンチになってしまったり。見方が変わりました。

 そして永野愛理さんのコーナーは凱旋とだけあってさすが。彼女のMCからは人一倍の東北愛を感じたし、東北、宮城を背負っている気概を感じた。特に「仙台」に留まらず、「東北の魅力はこんなもんじゃない」と仰っていたところからはその想いを垣間見ることができよう。WUGというコンテンツに永野愛理さんが携わったことには大きな意味がある。そしてWUGにとってもその存在は仙台、宮城、東北を考えるうえで核となったことだろう。

 『ハートライン』は鳥肌。奥野香耶さんの叫びに思わずメガネを外す。そろそろ辛くなってきた、見続けたいのだが、開幕から気圧されっぱなしの私は疲れ気味。しかし、リモコンは持つまい。

 『さようならのパレード』は『タチアガレ!』のリンリンと音がする度に感情が揺さぶられ喉の奥が熱くなる。

 聴いていて思ったことだが少女性を「16歳のアガペー」って表現するの天才過ぎる。「16歳」と「アガペー」を組み合わせようなんて思わない、普通。

 いよいよ待ちに待った『Beyond the Bottom』である。この曲には色々とあったらしいが、魂の歌声は考察困難な歌詞を見事に歌い上げていた。香港の活動家たる周庭氏が歌詞を引用し、界隈ではちょっとした話題になったが、やはりこの曲は他曲とは一線を画す。そんな曲を彼女らは何を思って歌っているのか。そのパフォーマンスには畏怖の念を抱く。そして青山吉能さんが表現者であることを強く感じた。

 このBtBからは私の琴線に触れる怒濤の7曲であった。

 『タチアガレ!』で虹色に染まる客席。落ちサビ、ソロパート、少し感極まっていた青山さん。1stでなんかあったらしい?が、それとこれとは違う上に今回は歌い切ったが、なんというか一周してきた感じがして感慨深いですよね。この曲にはドラマがつきもの。特に1stの終演後に客席が歌い出すシーンは感動する。(「タチアガレ!を歌い出すオタク」を参照。非公式なので貼りません)

 『TUNAGO』では秋に訪れた宮城現象沿岸地域の風景を思い出した。MVの撮影地は復興が進み、今はもう風景が変わっている所もあったが、もう戻らない居住禁止区域もあった。また目にした絶景も。そんなことも頭に浮かべながら聴いていた。ところで『TUNAGO』を聴いていて、気がつくと、「てってってってってー」の間奏に飛んでいる現象。あれは何でしょうか。さらに大サビで後ろでピロピロ鳴っている音が琴線に触れるんです。(音楽に暗いのであの音の正体教えてください) そして広川先生曰く「地下鉄ラビリンスはエモ」らしい。ランランラン…………

 最後に、最も印象に残ったのは『7 Girls War』だった。「夢はまだまだ遠いよ so far」と歌っていた駆け出しのWUGが、当時力をつけてきていたアイドルコンテンツや絶大な人気を誇っていたアイドルコンテンツと比較されたWUGが、今や多くの人を魅了し、涙を流させるようなパフォーマンスで、同じ歌詞を歌っていることには涙を隠せない。というのも「so far」は「めっちゃ遠い」だけでなく「今のところは」という意味もあり、特にエンスカイのインタビューで「目標はSSA」と笑いながら語っていた吉岡茉祐さんが、SSAを約2週間後に控えた本公演で、これを歌っている姿はこの上なく感動した 。「『7 Girls War』は泣ける」が理解できた気がする。

 「今日は人生で間違いなく一番幸せな日でした」と高木美佑さんが言っていたが、この人生がこれまでを指すのかこれからをも包含する人生を指すのかは私にはわからない。自信がなければその言葉は出てこないだろう。他人の人生の幸せを私が決める権利などないが、どちらでも通用すると思う。それだけ圧巻のパフォーマンスだったし素晴らしいファンの声援だった。(余談ですが、競泳の岩崎恭子選手はバルセロナ五輪で金メダルを獲った時に「今まで生きてきた中で、一番幸せです」と語っています。)

 「3つの幸せ」が山下七海さんの理念として生かされているのには言葉を失った。あのMCを超えるものはないと思っている。「山下七海 幸せ」でパブサをかけると多くのTwitterユーザーが山下七海さんから幸せを得ているようで、彼女がプロフェッショナルであることを実感する。

 田中美海さんの歌にも注目したい。『WUG』でも島田真夢参加以前のセンターを任される役柄を演じるなど、安定感には定評がある。それぞれに魅力があって比較するものではないから、このような事を言うのは非常に躊躇われるが、率直な感想を述べたいと思う。(不快になったら申し訳ありません) 「喉からCD音源」という言い回しがあるが、田中さんはこれだと思う。しかし、本公演ではそれを脱した力強く感情が詰まった歌声を堪能することができた。特に『ハートライン』の「優しいってなんだろ 難しいかもね」はクールだった。そして、私はどこか俯瞰的にユニットを眺めているような印象を田中さんに抱いており、今までもその背中は大きく見えたわけだが、さらにこの公演を通して頼もしく見えた。田中美海さん、カッコいいです。

 奥野香耶さんはMCで「辛い時などに見てください」といった旨のことを言っていた。WUGの存在がワグナーの原動力になっていることを実感し、私自身もその存在に背中を押されている身として、この言葉はたいへん心に響いた。とは言いつつもお気持ちになってしまうから服用はほどほどにせねば。

 

 先に、後述すると言った『7 Sences』の話をする。この曲があまり好きになれなかった。この曲だけでない、『タチアガレ!』と『7 Girls War』も。そもそも私が『WUG』を見なかった理由はアイドルアニメだからだ。ワチャワチャしていそうという先入観の元、忌避してきたアイドルアニメ。(『恋風』に惹かれてデレマスは2015年からプレイしていましたが…) その結果、WUGとの出会いも遅れてしまった。そしてこれらの曲も『TUNAGO』等の静かな曲に比べると活発な曲であるから先の理由からあまり好いていなかった。しかし、FINALの音源やその他BD、インタビュー等を見ているうちに『タチアガレ!』への意識は変化してきた。そしてこのKADODEにて、後者2曲が私の中で化けた。今ではどれも大好きな曲です。

 この曲の好みの話は私に限ったことではないように感じる。先日、他コンテンツのファンとライブBDを交換し、本公演を見て頂いた。ただやはり、KADODE BDを貸すのはその特殊さ故に憂慮した。結果としては楽しんで頂けて素晴らしかったと絶賛してくれたので杞憂に終わったわけだが。その友人曰く、『少女交響曲』『Beyond the Bottom』『HIGAWARI PRINCESS』が気に入ったらしい。私も初見であのセトリの中だったらおそらくこの3曲は選ぶと思う。かくいう私も『少女交響曲』をヘビロテしていた身ですから。WUGを勧めるとき、曲を引き合いに出すなら特徴的な曲が良いと、感じた。初めて聴いた曲が後に化けるのも面白いが、コンテンツへの興味を引くことを考えるならその辺りがよいのかもしれない。

 

 終わり方にまとまりがなくなってしまいました。

 

 SSA BD、時間はズレてしまうかもしれませんが、私も鑑賞しますので、皆さんよろしくお願いします。

 

 最後に、この場をお借りして、先日の福島県沖で発生した地震で被害を受けた方々へお見舞いを申し上げます。余震も続いているようですので、お気をつけてお過ごしください。

 

 それでは。